【完全版】初心者でもキレイな天の川を撮影するための方法や必要機材を解説!

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夜空に浮かぶキレイな天の川を一度は撮ってみたいと思いませんか?

ただ、天の川を撮影したいと思っても、「天の川はいつ見れるのか?」、「どの方角に出てくるのか?」、また「撮影に必要な機材や設定がよくわからない」という方も多いのではないのでしょうか?

そこで今回は、初めて天の川を撮影する初心者の方でも、キレイな天の川を撮影するための方法やコツ、設定方法、必要機材をご紹介します。

実際に僕が天の川を撮影してきた成功体験や失敗体験などを作例と一緒に解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください!

それでは解説していきます。

目次

天の川が見れる条件を理解しよう

天の川とは、太陽系を含めた数千億個もの星やガス、チリが集まってできた「銀河系」のことを言います。

白崎海洋公園 天の川
和歌山県の白崎海洋公園で撮影した天の川
撮影機材:NIKON Z8 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
データ:ISO 5000 20.0mm f2 8秒

写真に写っている夜空を横切る雲のような光の帯が天の川になります。

実は、天の川の撮影自体は、そこまで難しくないのですが、天の川が見れるシーズンや時期、方角などがわからずに挫折していく方がほとんどです。

なので、まずは天の川が見れる条件を理解していきましょう。

天の川が見れるベストシーズンは?

天の川は、日本では織姫と彦星が再会する「七夕」の話が有名で、7月のイメージがあると思いますが、日本では一年中出ています。

しかし、天の川を撮影できるのは一年中撮影できるわけではございません。

月別に天の川が見れる時間帯をまとめてみました。

1月 → 見れない
2月 → 5時前後
3月 → 3~5時
4月 → 1~4時
5月 → 23~4時
6月 → 21~3時
7月 → 20~1時
8月 → 20時〜23時
9月 → 19時〜21時
10月 → 19時時
11月 → 18時時
12月 → 見れない

このように天の川は、基本一年中見れますが、12月と1月は天の川は地平線に隠れているので見れません。

2〜5月ぐらいまでは、天の川は深夜に出てくるので、撮影が大変です。

そのため天の川を撮影するベストシーズンは、6~9月頃となります

天の川が見れる時期

天の川撮影のベストシーズンは、6~9月とお伝えしましたが、6~9月の間であれば、いつでも撮影できるわけではありません。

なぜなら、月が出ていると、月の明かりが邪魔をして、天の川を見ることができないからです。

そのため天の川の撮影は、基本的に月が出ない新月の4日前後や月入りが早い時間を狙って撮影します。

尚且つ夜空に雲がないときしか天の川を見ることができないため、撮影できる日は非常に限られてきます。

僕も天の川を撮りたいと思うけど、中々新月の前後に天気が恵まれないため撮れないことが結構あります。

新月は、月齢カレンダーのアプリを使って調べると便利です。

シンプル月齢カレンダー
シンプル月齢カレンダーアプリ
iOS:シンプル月齢カレンダーforiOS
Andoroid:シンプル月齢カレンダーforAndoroid

アプリを開くと、月毎に月齢が見れるので、「新月がいつなのか?」を把握しましょう。

月齢アプリ
シンプル月齢カレンダーのアプリ

そして、新月の前後で撮影する日は、ウェザーニュースを見て、月入りの時間を把握しておきましょう。

天の川が見える方角は?

天の川は、どの方角に現れるかというと、、東の空から昇り、南を通って西へ沈んでいきます。

太陽が登って沈んでいく方角と同じと覚えてもらうとわかりやすいですよ!

そして、天の川ゴールデンタイムの時間帯は南の空に見えます。

天の川が見れる条件

天の川は、光害がない真っ暗闇でよく見えます。

そのため街明かりが届かない山や海辺、離島、高原などで撮影するのが適しています。

逆に少しでも街灯などの光があると、キレイな天の川を撮影するのは困難となります。

天の川が見れる条件まとめ
・6~9月がベストシーズン
・新月の4日間前後
・夜空に雲がないこと
・東の空から登り南を通って西へ沈んでいく
・光害がないところ

天の川撮影に必要な機材を紹介

次に天の川を撮影する前に必要な機材や備品を揃えていきましょう。

天の川を撮影する際に必要なものを簡単にまとめてみました。

①カメラ本体
②F値が低い広角レンズ
③三脚
④リモートレリーズ
⑤懐中電灯
⑥鈴

それでは一つずつ解説していきます。

カメラ本体

カメラは、デジタル一眼レフカメラかミラーレス一眼カメラのフルサイズがオススメです。

夜間撮影となり、ISOを上げて撮影するため高感度に強いフルサイズのがほうがキレイに撮ることができます。

APS-Cやマイクロフォーサーズのカメラでも撮影はできますが、センサーサイズが小さく光を取り込める量が少ないため、ISOを上げると写真にノイズが乗ってしまい画質が荒くなってしまいます。

もし天の川をキレイに撮影したいのであれば、フルサイズのデジタル一眼レフかミラーレス一眼を使って撮影するがオススメです。

F2.8以下の広角レンズ

次にレンズですが、F2.8以下の広角レンズ使うのがオススメです。
暗い夜空を撮影するときは、F値が低いほど明るく撮影できるので有利となります。

また、焦点距離に関しては、風景と一緒に撮る場合は、焦点距離14~30mmぐらいのレンズが必要となりますので用意してください。

ちなみに僕は、20mm F1.8の単焦点レンズを使って天の川を撮影しています。

三脚

天の川を撮影するときは、シャッタースピードを8秒以上と長くして撮影するため三脚が必須となります。

手持ちだとブレてしまって、キレイに撮影できません。

安価な三脚でも大丈夫なので、三脚を用意するようにしてください。

もし、本格的に星空撮影したいなら、機材を守るためにも頑丈で倒れにくい三脚を使うのがオススメです。

リモートレリーズ

リモートレリーズを使うことで、カメラ本体に触らずシャッターを切れるので、ブレを防ぐことができるため、必須ではないのですが持っておくことをオススメします。

リモートレリーズなくてもカメラとスマホをBluetoothやWi-Fiで連携し、スマホをリモコン代わりにしてシャッター切ることもできます。

また、セルフタイマー機能を使い、タイマー2秒などに設定して撮影することで、ブレを防いでシャッターを切ることもできます。

ただ、カメラとスマホをBluetoothやWi-Fiで連携する場合、途中で接続が切れてしまいストレスに感じることがあります。

できたらリモートレリーズを使ってシャッター切るほうが便利なので、買っておくことをオススメします。

懐中電灯

天の川を撮影する場合、暗闇での撮影になります。

撮影スポットの道中も街灯がなかったりすることもあるので、必ず懐中電灯を持って行きましょう。

スマホのライトでも大丈夫ですが、万が一バッテリーが無くなると使えなくなるので、別で懐中電灯を持っていくことをオススメします。

天の川の撮影は、街明かりが届かない山や高原での撮影が多いです。

そのため熊やイノシシなどの野生動物に出くわす可能性もゼロではありません。

最近では、熊による人身事故が多いので、山へ天の川を撮影しにいくときは、鈴を持っていくことをオススメします。

天の川を撮影する際の設定方法と?

次に天の川を撮影する際の、カメラの設定方法を理解しましょう。

天の川の撮影に必要な設定を箇条書きにしました。

①記録設定を「RAW」または「RAW+Jpeg」を選択
②MF(マニュアルフォーカス)に設定する
③手ぶれ補正機能をOFFに設定する
④撮影モードをMに設定する
⑤F値は、開放より一段絞る
⑥シャッタースピード8~10秒にする
⑦ISO 4000~8000に設定する

それでは、ひとつずつ解説していきます。

記録設定を「RAW」または「RAW+Jpeg」を選択

記録設定は、Jpegだけでなく、RAWでの記録も残しておくことをオススメします。

RAWで撮影することで、天の川部分を後からLightroomで濃くしたり、夜空の色を変えることができます。

天の川比較
奈良県の曽根高原で撮影した天の川
左が現像前、右がLightroomにて現像後

特に天の川は暗闇での撮影になるため、被写体が黒潰れてしてしまうこともよくあります。

RAWで撮影記録しておくことで、後から修復の幅がかなり広がりキレイな写真が撮れるので、ぜひJpegだけでなく、RAWでも撮影記録することをオススメします。

MF(マニュアルフォーカス)に設定する

天の川の撮影では、AF(オートフォーカス)だと暗くて星空や風景にピントが合わないため、基本的にMF(マニュアルフォーカス)に設定して撮影します。

本体側、もしくはレンズ側の設定をAF→MFに設定してください。

手ぶれ補正機能をOFFに設定する

手振れ補正をONにしていると、カメラが微振動を検知して、逆にブレてしまうことがあります。

手振れ補正機能をOFFにしておきましょう。

撮影モードをMに設定する

天の川の撮影では、シャッタースピード、F値、ISOを調整しながら撮影するので、モードダイヤルはMモードにしてください。

Mモードと聞くと、「難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、ある程度、設定は決まっており、後ほど基準の設定も解説するのでご安心ください。

F値は、開放より一段絞る

F値は、開放より一段絞って下さい。

例えば、F1.8のレンズの場合だと、F2に設定して撮影。

F2.8のレンズの場合は、F3に設定して撮影するということです。

理由は、一段絞ることによって、星の形をよりシャープに描写することができるためとなります。

シャッタースピード8~10秒にする

次にシャッタースピードですが、8~10秒ぐらいに設定してシャッターを切ります。

天の川の撮影は、暗闇での撮影のためシャッタースピードを長くして、光を取り込む量を多くする必要があります。

ただ、星空もゆっくりですが、動いているので、シャッタースピードを長くして撮影すると、星空が動いている軌跡の写真が撮れるため、シャッタースピードは、8~10秒に設定して撮影しましょう。

ISO4000~8000に設定する

ISOは、最初6400に設定して撮影します。

あとは実際に撮ってみて、ISOを4000~8000の間で上げ下げして、丁度良い明るさに調整していくのがオススメです。

ISOは、高すぎるとノイズがのって画質が荒くなるので、できるだけISOを下げて撮影するようにしてください。

曽根高原 天の川
奈良県の曽根高原で撮影した天の川
撮影機材:NIKON Z8 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
データ:ISO8000 20.0mm f/2 10秒

僕が天の川を撮影するときは、20mm F1.8の広角レンズを使います。
F値を一段絞りF2に設定、シャッタースピード8~10秒、ISOを4000~
8000の設定して撮影しています。

天の川をキレイに撮影するコツ

最後に天の川をキレイに撮影するためのコツをお伝えします。

撮影スポットは事前に決めよう

まず、天の川を初めて撮影するなら、最初は無難な天の川撮影スポットで撮影しましょう。

なぜかというと天の川は、少しでも光害がある場所だと撮影難度が高くなります。

天の川失敗例
撮影機材:NIKON Z8 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
データ:ISO400 20.0mm f/2 10秒

上の写真は、肉眼で薄く天の川が見れたので撮れると思いましたが、街灯が邪魔して天の川がかなり薄くなってしまいました。
Lightroomで現像しても、天の川を炙り出せませんでした。

最初のうちは、少しでも光害があるところでの天の川の撮影は非常にハードルが高いです。

最初は、天の川が発生する時間や方角、撮影設定などを体感で覚えるためにも、無難な撮影スポットで練習するのがオススメです。

ネットで「天の川+オススメスポット」などで検索すれば撮影スポットが出てきます。

一度、天の川の撮影をして慣れてきたら、SNSなどで他の人が投稿している作例を参考にして撮っていきましょう。

ただ、一点注意があります。
SNSで天の川を投稿している人の中では、合成写真や写真を何枚も重ねるコンポジット処理をして投稿してる場合もあります。

なので、天の川を撮影する場合は、事前に「光害がないかどうか」、「1枚撮りできるかどうか」を調べてください。

MF(マニュアルフォーカス)でピントの合わせ方

MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わすときのポイントですが、風景と天の川を撮影するときは、風景にピントを合わせるようにしましょう。

天の川ピントの合し方
和歌山県の白崎海洋公園で撮影した天の川
撮影機材:NIKON Z8 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
データ:ISO 6400 20.0mm f2 8秒

上の写真は実際に僕が撮影した天の川の社員ですが、赤丸のところにピントを合わせて撮影しています。

写真全体の真ん中より少し手前にピントを合わせることにより、奥のほうにもピントが合います。

天の川の撮影では、暗闇での撮影のため液晶画面見にくいですが、画面を拡大して撮影していくと撮影しやすいです。

天の川の濃い部分を写す

天の川をキレイに撮影するポイントは、天の川の一番濃い部分が写るように撮影することです。

左の写真は、天の川の濃い部分がハッキリ写ってる
右の写真は、天の川の濃い部分が被写体に隠れている

上の写真を比較してみてください。

左の写真は天の川の濃い部分が構図に入っていますが、右の写真は天の川の濃い部分が被写体に隠れてしまっていて、少し天の川の写真がわかりにくいです。

天の川を撮影するとき、濃い部分を構図に入れないと、天の川らしさが出ないので、必ず濃い部分は構図に入れるようにしましょう。

まとめ

天の川の撮影自体は、難易度はそこまで高くなく、こちらの記事で書いてあるカメラの設定で撮影すれば初心者でもキレイに天の川を撮影することできます。

ただ、最初の頃は天の川の撮影よりも、天の川が見れるシーズンや時期、方角などがわからずに挫折する方が多いです。

そのためにも、今回書いた記事の天の川が見れる条件を理解して頂き、最初は有名な天の川の撮影スポットで練習してみてください。

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